働く独女の戯言、独り言by林ティアラ

働く独女の日常とフィギュアスケート愛を語ります。

益田ミリ「スナック キズツキ」読みました。

ある日のこと。

 

仕事の合間にふらっと有楽町の三省堂書店に入ったところ、益田ミリさんの「スナック キズツキ」なる本が目につきました。

 

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益田ミリさんは、以前、エッセイ「47都道府県女ひとりで行ってみよう」を読んだことがあり、面白い方だなあと思っていました。

 

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そんな記憶があったので、「スナックキズツキ」を手にとって少し読んでみたところ、とても面白くて思わず購入。

 

その日のうちに30分で完読してしまいました。それくらい夢中で読みました。

この作品は漫画ですが、エッセイとは違う面白さがありました。

 

主人公は、トウコさんという女性。路地裏で「スナック キズツキ」を経営しています。

自分が飲めないのでお酒は出さず、軽食とソフトドリンクだけのお店です(なのに「カフェ」や「喫茶店」ではないのです)。

ストーリーは、主にトウコさんとお店を訪れるお客さんのやり取りで繰り広げられます。

 

お店に来るのは、そのへんにいる普通の人々。

心のなかに、毎日のちょっとしたことでできた傷を抱えています。

その傷を、トウコさんに促された素っ頓狂な方法で、「スナックキズツキ」のなかで癒やし、その後に向かっていく・・・そんな話です。

 

1話完結の連作の形式をとっていますが、登場人物は皆つながっていて、ストーリー自体にも繋がりがあります。

つまり、狭い地域の中の比較的短い時間の中での「キズツキ」の出来事なのです。

 

書き下ろしというのも頷けます。

 

この話を読むと、人の数だけ人生があって、誰もが心に傷を抱えていることを強く感じます。

そして、最後まで読むと、一見店を訪れた人を元気づけているトウコさんもまた心に傷を抱えていて、その傷をお客さんと触れ合うことにより癒やされていることを感じます。

 

漫画と小説やエッセイの読後感は往々にして違うものですが、この漫画は、極上の小説を読んだような読後感を与えてくれます。

 

益田ミリさんは1969年生まれで私と同い年。

この話は、大人(注:私が大人かどうかは別として)が書く大人のための話です。

 

どんな年代の方も理解できますが、特に大人世代の方に読んでもらいたい、そんな漫画です。

 

私は、この作品で益田ミリさんの大ファンになりました。

他の作品もどんどん読んでみようと思っています。