立春が過ぎて、良い日和の日が増えてきた東京です。
花粉シーズンが徐々に本格化しているのはいただけませんが、柔らかい日差しを感じるのは気分が良いものです。
さて、先日のこと。
勤務先がある北千住で、ランチを食べに出かけたとき、ふと不動産屋を見つけ、なんとはなしに賃貸情報のチラシを眺めていました。
そして、ショックを受けました。
私が住んでいるのは、東京都千代田区で、馬喰町にほど近いところ。
28平米の1Kで、家賃は約11万円です。
このあたりは最近マンションが沢山建設されていて、住宅地として地味に人気が出ているようで、これでも相場よりはお安めらしい。
一方、北千住の不動産屋の店先で観た物件は、1LDKで7万5000円から8万5000円ほど。
うちより広いお部屋で家賃も3万から4万円安い・・・
不条理さとともに地価の違いというものを実感しました。
正直今の部屋にあと畳2枚分でいいからスペースがあるとなおいいな、と思っています。
私は、今の部屋に住む前、名古屋で仕事をしており、そのときには50平米ほどの1DKに住んでいました。
モダンな作りではありませんでしたが、収納スペースも豊富で、都心にも地下鉄で15分ほどで出られ、しかも家賃は9万円ほど(さらに勤務先から住宅補助がかなり出ていたので自己負担は2万円くらい)でした。
引っ越しにあたって、始末した荷物もありましたが、それでも物は多い方。
今の部屋は収納が多く、玄関も広いので気に入っていますが、あとちょっとスペースが有ればもっと便利であることは間違いありません。
では、引っ越せばいいのでは?とも思えます。
北千住であれば勤務先も近くなるし、都内ではかなり東側にあるとはいえ、交通機関も充実しており、都心に出るのも割と便利な場所ではあります。
一瞬考えたものの、私はすぐに「やっぱり今の部屋がいいな」と思い直しました。
正直なところ、部屋の広さに若干の不満(というほどでもないけれど)があるだけで、それ以外は、自分にとってパーフェクトだと思っているのです。
一番の理由は、「どこに出るにも非常に便利」ということでしょう。
地下鉄3路線にJRが全て徒歩10分圏内にあります。
出かける場所に合わせて交通手段を選ぶことができて、23区内であれば、思い切り西に行かない限りは概ね30分でいけます。
先日、東高円寺の爬虫類ショップに出かけましたが、乗り継ぎ1回で40分くらいで行けました。
そういう意味でのストレスがありません。
そして、すぐ近くにコンビニがある。
小さめだけれどスーパーも3つ4つある。
ドラッグストアも2つある。
日常の買い物も不便がありません。
だけど、この点は北千住も負けてはいません。
だけど、私の住まいの近所には、このような暮らしやすい環境が整いつつも、静かで猥雑さがない、という特徴があります。
先程、最近マンションが結構建っていると書きましたが、場所的には、オフィス街と住宅地が混じり合っているような感じです。
朝のラッシュ時など、地下鉄駅でサラリーマンやOLさんと思しき人が結構降車します。
人々はビルに吸い込まれていきます。
住んでいる人の年齢層も比較的高め。
秋葉原にも近い地域のため、以前は同じマンションにアイドル候補生のような人もいましたが、最近は20代の若い人はほとんど会わなくなりました。
そのためか、北千住のような賑々しさがなく、昼も夜も静かに過ごすことができる、外に出ても人で溢れていることがないのです。
外国人向けの宿泊施設もいくらかあるのですが(路線的に羽田も成田も出やすいところなので)、コロナ前でも、それで近所が騒がしくなるということはありませんでした。
なおかつ、飲食店も結構あります。
そして、その飲食店は、大人が一人または少人数で食べに行くようなところです。
代表的なところでいうと、フクモリさんでしょうか(このブログで前にもご紹介したことがありますが)。
また、何年か前にミナ・ペルホネンのお店、elavaⅠとⅡがオープンしました。
食材や食器を扱うⅠも、家具や雑貨、衣料を扱うⅡも、とても静かで落ち着いていて、のんびりした気持ちで見て回ることができます。
まさに大人のお店。
私の住まいの周りは、猥雑さはなく、都心に近いところにありながら、おかげで静かに暮らすことができるのです。
北千住は、特に駅前などはご飯を食べるところがたくさんあり、スーパーもいくつかありますから暮らすには困らないでしょう。
夜のお店も多く、集まってワイワイやるにはもってこいです。
ですが、住宅街は駅から少し離れていますし、帰るところとしては私にはちょっとにぎやかすぎるかな、と思います。
若い人が住むには楽しい街だと思うのですが。
私は親が都市計画関係の仕事をしていて、住まいは、部屋の広さ、家賃の安さだけではなく、周りの環境などもしっかり考慮して決める必要があると言われてきました。
住まいは、ライフスタイルが如実に表れるものだと思います。
私のライフスタイルには、多少家賃が高めだったり、広さが足りなめだったりしても、今の住まいが合っているということなのでしょう。